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(6)場所の選定とマーケットリサーチ

土地のチェックポイント
土地を取得して戸建の診療所を建てる場合、土地を借りる
にしても土地を買い取るにしても、その土地が先生の理想
とする診療所に適したものであるかどうかが重要です。

土地の取引は非常に複雑ですのでここですべて述べることは
できませんがいくつかの重要なポイントだけ指摘しておきます。
詳しいことは専門家にご相談ください。

土地の取引で一番大切なことは、マーケティングに関する
ことです。

その地域に患者さんがどれくらい居て、今後30年にわたって
どれくらいの発展が見込めるかということです。
次に大切なポイントはその土地がどのような用途地域にある
のかということです。

用途地域によっては診療所単独では建築できなかったり、農地
であれば農地転用の手続きが必要であったりします。そして、
用途地域によって、建ぺい率や容積率も異なります。

また、用途地域ではありませんが市街化調整区域に指定されて
いたりすると診療所専用の建物は建てられても併用住宅は建て
られなかったりと物件の場所によっていろいろと細かい制約が

これらの細かいことについては専門家の助言を受けることをお勧め
します。

ほかにもチェックすることとしては、下水道が完備しているか、
十分な駐車場が確保できるか、所有権は間違いないか、抵当権の
設定がされていないか等の確認、文化財出土地区かどうか等々の
チェックが必要です。

比較的新しい土地の賃借方法のひとつに定期借地権というのが
あります。

これは土地を借りるので土地代金が不要でその分投資額が少なくて
すみます。ただ、事業用の定期借地権ですと期間が10年以上
20年以下に制限されます。契約期間満了後には更地にして
所有者に返還する必要があります。


貸しビルのチェックポイント
<目次>
1.建築基準法上のチェック
2.建築確認申請の要否
3.所有権、抵当権設定状況、オーナーの年齢
4.天井高や床下配管工事の問題はないか
5.電気容量
――――――――――――――――――――――――――――――
ビルを1室借りて開業する場合のチェックポイントは下記のとおりです。
1、建築基準法上のチェック
2、建築確認申請の要否
3、所有権、抵当権設定状況、オーナーの年齢
4、天井高や床下配管工事の問題はないか
5、電気容量

1.建築基準法上のチェック
まず、建築基準法上の基準を満たしているかどうかのチェックが
必要です。

建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備、用途などに関する最低
の基準を定めて、国民の生命、健康、財産などを守り、公共の福祉
の増進を図ることを目的としています。従って、この目的を具体的
に実現するために、敷地の前面道路幅によって建物の高さを決め
たり、また都市計画の上で、敷地面積に対する建築面積の割合
(建ぺい率)や敷地面積に対する延べ床面積の割合(容積率)、
日照、採光、建物の構造などこれだけはぜひ守ってほしいという
最低の基準を定めて、都市の防災を図り、健康で文化的な生活が
できるよう取り決めているのです。(住宅金融公庫ホームページより)

建築基準法とは建物を建てる上で最低守るべき基準を定めた法律です。
たとえば、建築基準法では建築物の敷地は道路に2メートル以上接し
なければならないと決められています。この場合の道路は幅4メートル
以上と規定されています。これは消防車や救急車が通行できるように
決められたものです。

2.建築確認申請の要否
そして、病院などの特殊建築物は床面積が100平方メートルを超え
るものは建築確認申請が必要です。

建物を建築する場合、工事に着手する前に、その計画が建物の敷地、
構造、設備、用途などの点で建築基準法等の関係法令に照して適して
いるかどうかを、都道府県(土木事務所などを含む)または市区町村
の建築主事へ申請して、その確認を受けることをいいます。

申請書類としては、「建築確認申請書」正・副2通に建築計画概要書及び
設計図をつけて提出することになっています。申請書が提出されると、
市区町村の建築課、都市計画課などで審査し、適格であれば確認通知と
して副本が申請者に戻されます。ここではじめて工事に着手してよい事に
なります。(住宅金融公庫ホームページより)

3.所有権、抵当権設定状況、オーナーの年齢
次に、所有権、抵当権設定状況、オーナーの年齢のチェックです。
信用できる不動産業者が仲介する場合にはそれほど神経質になる必要は
ありませんが、確認という意味で物件の権利関係は調べておいたほうが
いいでしょう。
抵当権の設定状況なども調べておきます。

登記された権利関係(所有権、抵当権、地役権など)を物件所在地を
管轄する登記所(法務局)の登記簿で調査しましょう。また、登記所で
公図(土地の地図台帳)も閲覧できるので、道路の状況、隣地との関係
などを確認しましょう。わからない場合は、 司法書士に依頼するのも
よいでしょう。司法書士の事務所はたいてい登記所の近くに あります。

●登記簿の見方
不動産登記簿には「土地登記簿」と「建物登記簿」の二つがあり、各々
「表題部」、「甲区」、「乙区」に分かれています。

●「表題部」には土地や建物の表示
●「甲区」には所有権に関すること
●「乙区」には地上権、抵当権などに関することが記載してあります。
注1:業者に登記簿謄本を見せてもらう場合、謄本の証明年月日を確か
めましょう。 古いものは記載事項が変更されていることがありますから、
新しいほどよいでしょう。
注2:中古住宅の場合、広告などで「築○年」といっていることと一致
しているかどうかを確認することも大切です。
(東京都都市整備局のホームページより)

また、オーナーの年齢も確認しておきます。オーナーが高齢の場合は
近いうちにその子供に相続して、相続税を払うためにビルを売るので
立ち退いてくれと言われる可能性もないとはいえません。
建物を借りる場合は20年のスパンでいろいろな状況の変化を見極める
必要があります。

4.天井高や床下配管工事の問題はないか
次に、建物の形態として天井高や床下配管工事のチェックを行います。
先生ご自身ではわからないことも多いと思いますので、診療所建築の
実績のある設計士さんに見てもらうことをお勧めいたします。
また、建築の段階からかかわるのであれば診療所建築の実績のある
工務店を選定することが必要です。

安いからといって知り合いの工務店に頼んで、レントゲンなどの重量物
が設置できなかったり、必要な場所に給水排水設備がなくて、手直し工事が
発生したり工期が遅れたりする場合がありますので、注意が必要です。

5.電気容量
電気容量についても家庭用とはまったく異なりますので工務店と事前に
打ち合わせておく必要があります。

診療所の建築工事の場合一般の住宅とは異なりますので、診療所建築の
実績のある工務店や設計士に依頼するのが特に重要です。


テナント契約のチェックポイント
<目次>
1.契約期間:スーパー等に入居する場合の契約期間
2.賃料
3.保証金と敷引と原状回復義務
4.法人化の了解
5.定期借家権
6.退去時通知
7.修繕費負担と看板
―――――――――――――――――――――――――――――
スーパーなどのテナントで入居する利点は下記のとおりです。
(1)集客力がある。
(2)共同駐車場が使える。
(3)告知が楽である。
(4)相乗効果が見込める。
医療ビルや医療モールに入居する場合もある程度集客力に期待すること
ができますが、スーパーやショッピングセンターなどにテナントとして
入居する場合は集客力が大きいので、その意味では非常に有利な
開業形態と言えます。

大きなショッピングセンターでは1日の来店客数が1万人にも上ります。
これだけの買い物客が毎日看板を見てくれるわけですから、その集客力
と告知力は大変なものになります。

人通りの少ない場所に戸建で開業した場合は告知するのにかなりの
費用とエネルギーが必要になりますが、ショッピングセンターの
テナントで入居した場合ではそれが不要です。
また、駐車場を確保するのも大変ですが、ショッピングセンターなら
大きな共同駐車場があるのでとても有利です。また、テナントとして
薬局などが入るケースもあり相乗効果が期待できます。

1.契約期間:スーパー等に入居する場合の契約期間
スーパーのようなショッピングセンターでは10年くらいで投資を回収
することを考えているケースが多いようです。すなわち、賃借の契約
期間が10年くらいになることが多いということがいえます。そうすると、
38歳で入居して10年後には48歳で契約更改となると次の場所を探さ
なければならないという危険性はあります。
診療所を移転するにはかなりの出費がかさみますので移転費用を計画的に
その対策を考えておく必要があります。

2.賃料
次に、賃料に関しては収益還元法が主流になって来ました。ご存知の
ように、賃料設定の方法には、原価法、事例比較法、収益還元法の
3つがあります。

原価法というのは、ショッピングセンターの投下資金に対する利回り
に必要経費を加算してあるべき賃料を求める方法です。事例比較法とは
周辺の事例と立地条件、アクセスビリティ、ショッピングセンターの
運営力等について比較して賃料を決める方法です。
ただし、不動産屋さんのパンフレットには原価法または事例比較法に
基づく賃料が紹介されてありますが、実際は個別の交渉によってかなり
変動することが多いといえます。

実際、現在は買い手市場のため、テナントの立場が相対的に強いので
出店時のリスクを回避することがかなりできるようになってきています。
すなわち、パンフレットに掲載されている賃料(いわゆるパンフレット値)
は名目だけで実際はかなり安い賃料で借りられるケースもあるようです。
今ではパンフレット値は出店条件の最高値というガイドラインとも言われて
います。さらに、対外的に施設のステータスをアピールするためであったり、
不要なテナントを断るための口実に使われたりしているのが現状です。

さて、ショッピングセンターにおける賃料の徴収形態には以下のような
方式があります。

一般的にショッピングセンターにおいては、固定あるいは最低保証付
歩合賃料の徴収形態が主流となっています。 ただし、近年の買い手市場下
においては、テナント側の立場が強く、テナントのリスクを軽減する方向で
交渉が進むことが多いようです。そのため、「 最低保証付逓減歩合型」
では最低保証の水準が低くなりがちであり、また「単純歩合型」を求め
られる場面も増えています。

(1)固定家賃型
売上額と関係なく一定額の賃料を徴収するスタイルです。オフィス等に
複合される店舗はこの形態が多いようです。賃料は、売上との関連性が
なく決定されるため、ショッピングセンターには不向きといえますが
借りるほうにとってはリスクが少なくなります。

(2)固定家賃+売上歩合型
固定家賃に加え、売上に歩率を掛けて徴収するスタイルです。
このスタイルは、固定家賃の設定により売上変動のリスクを出店者が
負い、売上歩合は余り高くないと言う特徴があります。

(3)単純歩合型
一定の歩率を設定し、売上に対する歩合賃料のみとするスタイルです。
テナントにとっては固定家賃的リスクが無いかわりに、高い坪当たり
売上を実現した場合、高い賃料を支払う結果になります。交渉のしやすさ
の観点からは最もシンプルなスタイルですが、ショッピングセンターの
事業運営主体にとって、固定家賃に相当するものがないので、
事業計画が立てづらく、リスクヘッジができない難点があります。
新規のエリア開発における ショッピングセンター等、テナントが
売上の予想を立てにくい時に要求することが多いスタイルです。

(4)最低保証付逓減歩合型(固定+売上逓減)
基本的には売上歩合型のスタイルですが、テナントの売上に最低保証
の意味での基準売上高を設定し、その歩合が固定家賃部分に相当する
のでショッピングセンターの事業運営主体にとっては売上変動のリスク
ヘッジとなります。売上歩合は基本歩率(4〜10%程度)を設定し、
最低保証のリスクを出店者が負います。かわりに、一定の売上高を
超えた額に対しては、歩率を軽減する逓減措置をとることが多いといえ
ます。最低保証の基準売上高、歩率、逓減にかかる売上高等、交渉の
ポイントが多いために柔軟性の高いスタイルであり、交渉のしやすさの
観点からは現状の経済情勢の中では最も適したスタイルといえます。
ただし、サービス業の場合は固定家賃が多いと言えます。
(以上の段落は経済産業省のホームページから引用したものを筆者が
編集したものです。)

3.保証金と敷引と原状回復義務
次に保証金と敷引と原状回復義務について考えてみましょう。
敷金も保証金も、賃貸借契約締結時に、借主(テナント)から貸主
(オーナー)に差入れられる一時金の一種ですが、性格は全く異なる
ものです。

敷金は、賃貸借契約の一部として、賃料の未払いや物件の損傷等を
担保する性格であるのに対し、保証金は賃貸借契約とは別の金銭消費
貸借です。

敷金は、法律用語として既に確定しており、賃貸借により生じる貸主側
の損害を担保するためのものと解釈も一貫しています。敷金の額は
賃料月額の6ヶ月から24ヶ月分程度が適当と考えられます。賃貸借
契約解約時に全額を一括返済するのが基本ですが、契約上の特約として、
短期間でテナント側の都合で退店した場合に敷金を返還しない、
あるいは建物償却分として一部を償却するといった特約が盛り込まれ
ていることもあります。

また、保証金については法的に確定された用語ではなく、一般的には、
オーナーに自己資金がない場合、賃貸借契約とは別個の金銭消費貸借
契約を交わして調達する一時金と解釈されており、建設協力金なども
これに含まれます。

保証金については、契約締結後10年間据え置き、無利子で10年間
均等返還ということが一般的になっています。別の面でいえば、賃貸
借契約と金銭消費貸借契約は全く別であり、賃貸借契約の解約や解除に
伴ってテナントが退店したとしても、返還時期が・驍ワで返還する義務
はありません。

ショッピングセンターの事業運営主体の倒産の場合などは、テナントが
保証金を回収できなくなる可能性があります。そのため最近では、テナント
から賃料月額の数十ヶ月を預かるという条件は少なくなっており、
敷金一本という契約も増えています。

また、貸しビルやテナントの場合は退去時の原状回復義務があります。
住宅の場合は敷金から原状回復費用が差し引かれますが、貸しビルや
テナントの場合は借主の責任で原状回復をするのが普通です。したがって、
診療所を移転するということは、敷金や保証金、原状回復費用、それに
工事中の空家賃など大きな出費を伴います。

4.法人化の了解
次に、開業して経営が軌道に乗ってくると法人化したほうが税制面等で
メリットが出てきます。法人化した場合には賃貸契約の名義が個人から
法人にかわりますのであらかじめその旨の了解を取っておく必要があり
ます。了解を取っていないと、いったん解約して新たに契約を結びなおす
と言うことになり、違約金を取られたり新たに敷金を請求されたりする
場合がありますので注意が必要です。

5.定期借家権
次に定期借家権について考えてみましょう。
定期建物賃貸借契約(いわゆる定期借家契約)は平成12年3月から
施行された新しい契約形態であるSCにおけるテナント契約の新たな
形態として大きな注目を集めています。定期借家契約には以下のような
特徴があります。(SC=ショッピングセンター)

・定期借家制度は賃貸人と賃借人との合意で契約期間、賃料などを自由に
取り決めることができ、契約期間が満了すれば契約は終了し、建物は返還
される。更新はない。
・契約期間は普通借家契約と異なり、1年未満から20年以上まで自由に
取り決めることができる。期間満了の際は、更新がないことから当然契約
は終了することになる。賃料についても、賃貸期間や使用目的に応じて、
当事者が自由に取り決めることができる。
・借地借家法の更新拒絶の用件の規定、法定更新の規定は適用が無く、
更新拒絶に正当事由は必要ない。また、定期借家契約は以下の様な手続き
を必要とする。
・定期借家契約であることを、賃貸人は契約に先だって賃借人に対し
「文書」で説明しておかなければならない。
・定期借家契約は必ず書面でしなければならない。契約書を作成する
必要がある。
・表題は「定期建物賃貸借契約書」と記載し、本文中に「賃貸人と
賃借人は本件建物について、借地借家法38条に規定する定期建物賃貸借
契約を締結する」旨を記載しておくことが必要である。
・契約期間を確定した期間で明確に記載し、期間満了によって契約は
終了し、更新がないことを記載しておく必要がある。
・契約期間満了の1年前から6ヶ月前までの期間(通知期間)に、
賃貸人は賃借人に対して、契約期間が満了することを書面で通知しなけ
ればならない。賃貸人がこの通知期間内に通知を怠り、通知期間を経過
した後にこの通知をしたときは、その通知をしたときから6ヶ月を経過
したときに賃貸借は終了することになる。
・建物使用目的(居住用か事業用か)を明確に記載しておく必要がある。
・賃料の定めは普通借家契約と同じでよい。しかし、定期借家契約に
おいては「賃貸借期間内は賃料の改定は行わない」等の特約をすることが
できる。

ショッピングセンターにおいては、業績不振テナントの入替や、一定
期間毎のリニューアルなどが必要となってきます。これらの際に、普通
借家契約では、借家人保護の色が強く、テナントの退店交渉は非常に困難
でした。この点、定期借地契約では、契約期間終了時には契約は終了する
ため、ショッピングセンター にとっては望ましい契約形態といえます。
(以上の段落は経済産業省のホームページから引用したものを筆者が
編集したものです。)

6.退去時通知
次は、退去時の注意です。
契約期間の満了などで退去する場合、最低でも3ヶ月前、通常は6ヶ月前に
退去通知をする必要がある。入居のときも同じでことが言えるが、空家賃
を低く押さえることがコスト削減のポイントとなります。

7.修繕費負担と看板
退去時には原状回復義務があるので修繕費負担や看板の撤去費用なども
発生することを念頭においておく必要があります。
ただ、テナントとしての医療機関は、倒産率も少なく家賃の不払い等の
事故も少ないので優良な借り手と言えます。したがって、賃料や保証金、
敷金の交渉においてもやり方しだいではかなりの譲歩を勝ち取れる可能性
がありますので、ぜひ専門家に相談しながら交渉を進めたいものです。